親父の記憶 VOL.10 モクズガニのこと。
裏の川に仕掛ける。
田舎グルメシリーズである。
今は漁業権だか何だかわからんが、勝手に獲るとダメらしいが、昔は皆で獲ってたモクズガニ。
ワシらは『ツガニ』って言ってたけど。
親父もよく裏の川でカニを獲ってた。
夕方、カニかごの中に鯖の頭などの余った魚のアラを餌として入れ、そいつを川の中に(もちろんポイントはあるが)放り込んでおく。
そして翌朝、その仕掛けたかごを上げに行く。
すると
おるわ、おるわ。
仕掛けておいたかごの中には、モクズガニがぎっしり!!
こいつが実は秘かな田舎のご馳走であった。
見た目は何だかもしゃもしゃしていて、あまり美味しそうに見えないが、こいつを使ったカニ汁が絶品なのだ。
モクズガニの食べ方(カニ汁)
ちょっとかわいそうだが、よく洗った、生きたモクズガニをそのままミキサーにかけてしまう。
ヴィーーーーン!!とミキサーを回すと、一気にモクズガニさんは粉々・・・。
トロトロの粉々になったモクズガニさんに水を加えて、これを目の細かいこし器でエキスを濾していく。
すると、カニの濃厚エキスと殻の硬い部分とに分離できる。
そして、取り出したカニの濃厚エキスを火にかけて、カニ汁にしていくわけだ。
段々とエキスに混じっている身の部分や味噌の部分が固まってくるので、そうなれば味を整えて完成だ。
写真が無いのがとても残念だが、まさに贅沢カニ汁なのである。
カニの美味いところが全部入っているのだから、不味いわけはない。
カニ好きにはたまらない逸品となる。
おそらく、今だったら、料亭とか高級な和食店くらいしか食べることができないんじゃないかな。
あのカニ汁・・・
もう食べることができないのかな・・・。
モクズガニが手に入っても、上手に作れるかどうかもわからんな・・・。
カニ汁・・食いたいなあ!!