佐賀県唐津市呼子町加部島の漁港。
見学だけでも楽しいもんだ。
佐賀県唐津市呼子町に義父のお墓掃除に出かけた帰り道、漁港の釣り人を見学しようと、呼子大橋を渡り、加部島へやってきた。
加部島には佐賀県下で最古といわれる『田島神社』があり、ここには佐用姫伝説で知られる石が祀られている。
佐用姫伝説とは、佐用姫と恋仲になった大伴狭手彦が新羅に出兵する際、佐用姫がここ加部島で七日七晩泣き明かし、ついには石になってしまったという話し。
なんとも切ない哀話なのである。
おおっと。何だか真面目にツアーガイドみたいなことをしてしまった・・・。
いかん、いかん、ワシらしくない。
とにかくワシが魚釣りができない分、他人の釣りっぷりを見てストレスの軽減を図ろうという算段だ。
夕刻とはいえ、猛暑日であるから、こんな暑い日に釣り人はそんなにいないだろうと思いながら漁港を訪れたわけであるが、
いる!いる~!!
やはり釣好きには猛暑なんぞ、へのかっぱなんだな。
防波堤の脇にある磯場では、地元の少年たちが海で泳いでいる。
みんな真っ黒に日焼けしていて、これぞザ・島の少年!という感じだ。
いいね、いいねえ。
子供はこうでなくてはならない。
この風景だけを切り取ると、コロナなんて何処にいるんだ?と思いたくなる。
元気一杯に海遊びを楽しむ少年たち。いつまでもこの光景を失くしたくないと思うワシであった。
さて釣りの見学に戻ろう。
防波堤の先端に二人の青年の姿が見える。
このあと、このうち、ひとりの青年にドラマティックなことが起きるのだが、その他の釣り人の様子をしばらく観察していたが、釣果はいまひとつ・・・。
よく見てると、餌取りの『豆アジ』が湧きまくっているようで、撒き餌の周辺にはワシャワシャと海面が真っ黒になるくらいに豆アジが寄ってきている。
って感じであった。
いっそのこと、豆アジを釣って南蛮漬けにでもしたほうがいいんじゃないの?と思うほど大量の餌取り。
これでは釣れないだろうなあ・・・と思い、しばらく眺めていた。
すると
防波堤の先端付近でカゴ釣りをしていた青年のウキが、スパッと勢いよく海中に消し込んだ!
青年の竿が大きな弧を描く。
魚の引きに耐える青年。
じっくりとよせてくる。
デカいよ!デカい!!こんなのがこんな防波堤から釣れるのかあーー!
とてもブリ上げられる大きさではない。
使用しているハリスは1.75号とのこと。
ちょっと厳しいな。
防波堤の高さがかなりあるので、タモ網も届かない。
さあ、青年よ、どうする!
すると青年は一段下にいた釣り人に声をかけ、タモ入れをお願いし、無事、魚はタモにIN!!
見ると、目測で35cmはある、丸々とした立派なクロ!
へえ~、凄いなあ。この防波堤からこんなサイズのクロを釣ってるの、初めて見たぞ。
ご立派!あっぱれ!である。
何よりも青年の嬉しそうな、はち切れんばかりの笑顔。
と声をかけると、さらに笑顔が膨らんだ。
うんうん、はっぱり、魚釣りは人を笑顔にするんだな。
こんな満面の笑みを見せられると、ワシまで何だか、超嬉しくなる。
幸せのお裾分けってやつかな。
有難う。おかげで、とても嬉しい気分がワシにも満タンに充填されたぞ。
青年よ!有難う!!