![海の幸の見つけ方。そして美味しい食べ方。](https://i0.wp.com/kyusyu-ins.com/wp-content/uploads/2020/07/きぬがい.jpg?fit=630%2C378&ssl=1)
親父の記憶 VOL.6 潮干狩り
とれる貝の種類も変わってきたが・・
実家から車で30分も走れば、海がある。
海は美味しい食べ物の宝庫であった。
昔は潮干狩りも入場料などは必要なかったのだが、今は入場料をとられるもんな・・・。
世知辛い世の中になったものだ。
アサリ貝なんかは、掘ればいくらでもとれた。
親父に連れられて、よくとりに行っていたのは『キヌガイ』という二枚貝。
関東方面では『アオヤギ』と言ったほうがわかりやすいのかな。
正式名称は『バカガイ』というらしい。知らなかった・・・。
下の写真の貝(市場魚介類図鑑より引用させていただいた)なのだが、こいつが美味しかった。
足を砂の中に埋めながら、指先で探っていくと、貝を見つけることができる。
バケツいっぱいにとれていたものだ。
![](https://i0.wp.com/kyusyu-ins.com/wp-content/uploads/2020/07/きぬがい.jpg?resize=630%2C378&ssl=1)
キヌガイを持って帰り、殻を開いて中身を取り出す。
流水で綺麗に洗ったあとに、その身を刺身で食べる。酢醤油で食べるのだが、これがメチャクチャ美味い!
さらに取り出した身を陰干しにし、水分が完全に抜けるまで干す。
するとスルメのようになるのだが、これを軽く火で炙って食べる。
もう、最高に美味いのさ!!
しかし、残念ながら、最近ではこの貝がとれない。全くいなくなってしまったようである。
海洋汚染のせいなのか、原因はわからないが、近くの海では全くとれなくなってしまった。残念である。
もうひとつよくとりに行っていた貝。
キヌガイ以外にもうひと種類、よくとりに行っていた貝がある。
『マテガイ』である。
大潮の干潮時にしかとりにいけない(でかいのが沖にいるから)のだが、こいつのとり方が面白い。
砂浜を20cmほど掘ると、穴がポツポツと開いている。
そこに塩を入れると、このマテガイが、ぴゅっつと、飛び出してくる。
そいつを捕まえて穴から取り出すのだ。
![](https://kyusyu-ins.com/wp-content/uploads/2020/07/まて貝2.jpg)
とり方にはちょっとしたコツがある。
役割分担をするのだ。
穴を掘る係、塩を穴に入れる係、そしてとる係。
親父はいつも砂浜を鍬で掘り、穴を見つける係であった。
そこに母が塩を入れて、子供のワシらがとるという算段。
こういうふうにすると、効率よく掘ることができて、あっという間にバケツいっぱいになる。
![](https://kyusyu-ins.com/wp-content/uploads/2020/07/まて貝.jpg)
このマテガイを持ち帰り、砂抜きをして、バター焼きでいただく。
これ、ホントに美味すぎ!!なのである。
子供でもいくらでも食べられる。
このマテガイは今でもとれるので、今も食すことができる。
ただし・・・
例のごとく、入場料をとられる・・・。
漁協が稚貝を放流しているからという理由のようだが、なんだか、風情がないよな・・・。
この他にも食べられる海藻類なんかも親父から教えてもらったな。
今は覚えていないから、どれが食べられるやつなのか、よくわからないが、当時は海藻も持ち帰り、食べてたぞ。
ああ、それにしても、キヌガイの刺身、もう一度食べてみたいなあ・・・。