ミニチュアダックスの『チッ君』
愛嬌のある憎めないやつだった
一本の電話。
にわ子が泣いている。
妹夫婦の家族、ミニチュアダックスの『チッ君』が天に召された。
享年16歳と5か月。
天寿を全うした。
遊び日に行くと
いつもじゃれついてきた、愛嬌のある憎めないやつ。
お腹をさすってやると
「もっとさすれえ~。」とばかりに、コロンとひっくり返り、お腹を丸出しにする。
ワシらが飯を食っていると
ヒョコヒョコとやってきて
ひざの上にあごをのせて
上目づかいにこちらを見て
「オイラにも食わせろ~。」と訴えかけてくる。
そんな
チッ君が、天使になったのだ。
明日には火葬するという。
にわ子とワシは、高速道路を妹夫婦の家へと走った。
妹夫婦の家に着くと
小学生の姪っ子が何かを悟ったかのように、チッ君の傍に、ちょこんと座り、チッ君の大好きなおやつを枕元に敷き詰めていた。
・・・・・。
チッ君はまるで、生まれたばかりの子犬のような顔になり、遊び疲れたかのように目を閉じていた。
きっと
幸せだったね。
間違いない。
皆からこんなに愛されていたのだから。
この無邪気な顔。
ほんとに眠っているようだ。
チッ君、安らかに。
姪っ子が敷き詰めたおやつを、お腹いっぱい食べて、ゆっくり寝ておくれ。
有難う!!