親父との記憶vol.2
夏の夜の川は宝の山やあ!!
夏の夜になると思い出す。
ガキの頃、親父は夜になると身支度を始めていた。
胸まである同付長靴(今で言うところの、『ウェダー』っていうやつだな)をはき、手にはカーバーライトと銛、そして箱メガネを持つ。
腰には魚籠をぶら下げている。
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箱メガネとはいっても、写真にあるようなプラスチック製の立派なものではなく、板を切って作った手製のもの、銛も竹に銛先をくくりつけた手製。(銛先も太い針金を削って作っていたように記憶している)
カーバーライトって言っても、若い方にはわからないよな・・・。
今も売っているかどうかわからないし、ワシが小さい頃の物なので、ワシの記憶も定かではないのだが、石灰(だったと思うけど・・・)と水を混ぜてそれに火を着けると、めちゃ明るく照らしてくれるライトのことだ。確か・・・。
これ、水に浸かっても、火が消えなかったような気がする・・・。
とにかく、優れもののライトなのだ。
このスタイルで夜の川に入っていく。
ワシも同じような格好をして、親父に連れられ、川に一緒に行っていた。
カーバーライトを照らし、箱メガネで水中を見ながら、腰の高さまで水深がある川の中を、ゆっくりと歩いていく。
すると
魚たちが岩陰などに潜んでいるのが見える。
夜、魚たちはわりとじっとしているのだ。
魚を見つけると、箱メガネで魚を見失わないようにし、手に持った銛で狙いを定めて、一気に突く!!
銛には返しがついていないので、魚が抜けないように慎重に引き上げ、魚籠におさめる。
う~ん、原始人~。
これを1~2時間やると、魚籠は魚でいっぱいになるのだ。
そして、こいつらを食う!
突いた魚を家に持って帰り、ハラワタを取り除き、唐揚げにする。
味付けは塩のみのシンプルなもの。
子供心に、これが美味かった。
川魚というと、独特の香りがあるので、これが苦手な方も多いと思うが、唐揚げにしてやると、そんなに気にならない。(お袋は嫌がっていたような気がするが・・・)
どんな種類の魚を採っていたのか、あまり記憶にはないが、ハヤやドンコなどの魚だったと思う。
あ、
別に自給自足の生活をしてたわけではないのだよ。
ただ、まわりの自然から楽しみながら食糧を調達していたってこと。
今ではこのようなことはできないけれど、あの頃は夜の川に恐怖も感じずに入ってたなあ・・・。
これも原始人養成所のカリキュラムの一環である。
ワシ、サバイバルでもけっこう生きていけるかも。